偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより・進路通信

道 程

高村 光太郎さん

 三月は、卒業の季節です。今までみなさんが生活してきたこの校舎とも、お別れをしなければなりません。(中略)これからどんな方向に進むのか。一年後、二年後の自分が、いったい、どこで、どんなことをしているのか。
 いろいろ想像していることと思います。自らで考え、自分の道を、自分で探していかなくてはならない。大変なことではありますが、また、大きな喜びでもあるのですよ。

 

   僕の前に道はない
   僕の後ろに道は出来る

 みなさん、この言葉を聞いたことがありませんか。高村光太郎の「道程」という詩の書き出しです。高村光太郎は、明治時代に生まれた人です。若い頃から彫刻や絵を学んだり、詩を勉強したりしました。今から百年以上も前に、ヨーロッパに留学もした人です。その時代には、外国に渡ってまで勉強をしようとする人は、本当に少ないものでした。そんな生き方をしてきた人でしたから、「僕の前に道はない」という言葉は、高村光太郎の実感だったのでしょうね。
 これから未来を開拓していこうとするみなさん一人ひとりに「道程」の言葉を贈ります。

   僕の前に道はない
   僕の後ろに道は出来る
   ああ、自然よ
   父よ
   僕を一人立ちにさせた広大な父よ
   僕から目を離さないで守る事をせよ
   常に父の気魄(きはく)を僕に充たせよ
   この遠い道程のため
   この遠い道程のため

(『子どもたちに詩の心を伝える講話』小金澤豊著/ 学事出版より)


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