偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・学級通信・進路通信

いつも正解を出さなくていいのだ。
勝った時には謙虚さを、
負けた時には潔さを学べばいい(NHK・TV「勝てない相手はいない〜錦織圭 成長の軌跡)

マイケル・チャンさん

 昨年一年で、テニスの錦織圭を世界ランキング17位から5位に急成長させたコーチ、それがマイケル・チャン氏である。氏は現役時代(31歳で引退)、グランドスラム(世界四大大会)で通算34勝という華々しい戦績を残している。錦織圭が彼を自らのコーチに選んだのは、この戦績の他に自分と同じように小柄な体だったことがある。

 しかし、錦織の思惑を超えて氏のコーチは技術よりもメンタル面に集中した。「なんで練習場に一時間前に来るのだ? 二時間前に来てストレッチの時間を倍にしろ」「故障を抱えているのを言い訳にするな」。そして、部屋にあるフェデラーのポスターを錦織が「憧れている」と言ったことに対して、「コートに入る時は相手に対するリスペクトを捨てろ」とまで要求した。

 錦織は苦しいこともあっただろうが、受け入れた。だが、すぐに結果が出るものではない。全米オープンの決勝戦で。マリン・チリッチ選手に敗退し、ロッカーで落ち込んでいる錦織を見た氏は、「自分で調子が悪いと決めつけるな。お前には勝つ力がある。絶好調だ」と、次に向けての後押し、励ましを忘れない。

 そして、静かに標記の言葉をささやく。正解とは、優勝した時に、それまでのやり方全てを含めて言われる言葉だ。今は「潔さ」さえあればいい。それが「自分を信じる」ことだと。

(『月刊プリンシパル』2015年3月号/ 学事出版より)


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