偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
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対象学校だより・学級通信・学年通信

「遊び」は人間を成長させる大切な肥やしである…

高橋 一眞さん(口笛配達人)

高橋さんは電子関連部品メーカーの工場長をしていました。(中略)夜は得意先の人たちと一緒にお酒を飲みに出かけることが多くなりました。お酒が入ればカラオケ…ということになります。(中略)高橋さんは、「どうせみんなおしゃべりをしていて歌なんか聞いていないんだから、ちょっと趣向を変えて口笛で歌をやってみるか」という軽い気持ちでやったそうです。

 高橋さんは口笛には少々自信があったようです。というのは、高橋さんが育った千葉県の大多喜町の山には、メジロ、ウグイスなどの野鳥がたくさんいて、友達とよく捕りにいったのです。鳥もち(小鳥や虫などをつかまえる接着剤)をツツジの枝にしかけておき、カゴに入れたおとりの鳥を鳴かせておびき寄せる作戦です。しかし、カゴの中の鳥はなかなか鳴いてはくれません。そこで高橋さんは、自分で鳥の鳴き声をまねればいいと思いつき、暇さえあれば口笛で鳥の鳴き声を練習したそうです。(中略)

 それからは、仕事仲間が集まる機会がある度に口笛を吹きに出かけたそうです。(中略)なんと高橋さんは、サザンオールスターズのレコーディングにも参加するまでになっていたのです。休日にはカルチャーセンターで口笛を教え、「口笛配達人」という肩書きまでつきました。 (中略)これまでに約300人以上の人たちに口笛を教えたそうです。

「遊び心」は人間を人間らしく成長させます。人とのつきあい方や年長者への敬意、命の尊さ、ルールの大切さ、自分自身の発見といった心身の成長に必要な経験をつむための場が「遊び」なのです。野球とかサッカー、相撲、チャンバラ、魚釣りなど、子どもみんなで知恵を出し合って「遊び」を工夫させるべきです。

(『現代の偉人・達人から学ぶ人間力』奥野真人著/ 学事出版より)


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