偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

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対象学校だより・学級通信・進路通信

名前が肩書きになる生き方こそ面白い

野口 健 さん(アルピニスト)

野口健さんはどんな人と聞けば、最年少でエベレスト登頂に成功した登山家で、世界七大陸最高峰登頂の世界最年少記録を樹立した人。最近はエベレストをはじめ富士山などでゴミを撤去する清掃登山に尽力している人、と答える人が多い。

その端正な顔立ちからどこか異国の人を思わせるが、それもそのはず、母親はエジプト人である。父親はエリート外交官で、その生き方は少なからず野口さんに影響を与えた。

立教英国学院に通っていたとき、野口さんは先輩を殴って停学処分を受けた。父親は「自宅にいてもいいことなんかない。旅にでも出てこい」と言った、というから豪快だ。野口さんが「あんな学校は辞めてやる」と言ったら、父親は「おう、そうか。辞めるか。これからは学歴社会じゃない。おれは東大を出て大使になったが、大使というのは外務省での肩書きだ。引退したらおれには何も残らない。どうせ生きるならば、
野口健という名前が肩書きになるような生き方のほうが面白い」と言った。

初対面の人と会うと、日本人はまず名刺の交換をして、その肩書きからどんな仕事をしている人かを知り、その人の地位や連絡先まで情報を得ることで安心(?)して話を始める。名刺がないとなかなか心を開かない。肩書きが本人の能力や実態そのものであればいいが、最近はその肩書きにふさわしくない人物も少なくない。名前だけの名刺が通用するような人間になりたいものだ。

野口さんは父親の言葉通り、野口健が肩書きになり、アルピニストは付け足しのような生き方をしている。

             

(『生徒に贈る言葉の花束』佐藤允彦著/学事出版より)


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