偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
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対象学校だより・学級通信・進路通信

地球上で定員50人の職種。特殊技能を持ち、替えが利かない。
若手にもよく言うんです。
誇りを持てと(東京新聞・2015.6.11)。

床安

 床安さんは床山である。床山とは、役者や力士の髪を結い上げる仕事をする人のことだ。彼はひたすら所属部屋の力士の髪を結ってきた。相撲解説者の舞の海秀平さんの髪も結った。理容師や美容師の免許は必要ないが、熟練した技術を習得するために長い年月が必要となる(中略)。

 行司や呼び出しは土俵に上がるが、床山にはそれがない。人目につかない。本人も「角界の黒子」というように、実に地味な存在である。あの力士の大銀杏は床山の××が結ったものだと言って、その見事な髪の仕上がりをほめられることはまずないだろう。

 堪えられず辞めた後輩も多くいたに違いないし、自分自身もくじけそうになったが、そんな時、自分に言い聞かせたのが、標記の言葉だ。相撲界、日本、世界で50人と言わず、「地球上で定員50人の職種」と言ったところは、「引かれ者の小唄」の強がりとはわけが違う。誇りと踏ん張る力に満ちている。

(『月刊プリンシパル』2015年8月号/ 学事出版より)


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