偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
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対象 学校だより・学級通信

人間のつき合いというのは、自分と違う、という差異を
相手に見つけることから始まるんですね。

野坂 昭如さん『人間通になれ』

 友達はどんなきっかけからできるのだろう。たまたま隣り合わせで座ったから、なんとなく気が合いそうなので口をきいてみたことから、筆記用具を借りたことから、などなど偶然の出会いから友達になる場合が多い。

 その偶然の出会いから無二の親友になっていくのは何の力なのだろう。同じ趣味の者が集まることを「類は友を呼ぶ」というが、部活動で知り合った仲間でも、いつの間にかいつもつき合うのは数人に絞られてくるから不思議なものだ。

 気が合う、趣味が同じだ、考え方や価値観が似ている、などからつき合いが深まっていくのが一般的だが、その相手に自分とは何か違う、自分にはないものをもっている、と無意識のうちに感じ取っていることが、特別な友としての位置づけになっていくのではないだろうか。

 

 尊敬できる、信頼できる、約束を守る、才能がある、など人間としての資質を認めるからだと言い換えてもいい。いつも同じ仲間と群れているだけでは進歩がない。野坂昭如氏は自分の体験からこの本の中で、「自分と同じような人間とばかりつき合わないで、差異のある面白いと思える人間を探せ」と助言している。


(『生徒に贈る言葉の花束』佐藤允彦著/ 学事出版より)


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