偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
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対象学校だより・学級通信・進路通信

本は読者が王様でいい。「作者の意図は」なんて難しく考えず、
自分の「面白い」「ここに惹かれる」を大切に読めばいいし、
人と読み方が違ってもいいと思うの。

(『ゆうゆう』2015年新年号)宮崎 美子さん(女優)

 最近のNHKのTV番組「クローズアップ現代」のタイトルは、〈広がる“読書ゼロ”〜日本人に何が〜〉。そのなかで取り上げられていたのが、昨年9月、文化庁が発表した「国語に関する世論調査」。それによると、1カ月に一冊も本を読まないと答えた人は47.5%にのぼっている。これは、4年前の調査から1.4%、14年前からでは実に10%の増加であるという。

 この実態を嘆く人は多い。しかし、番組のゲストであった立花隆氏は、そこに時代の趨勢を見、情報の収集力はスマホにかなわないという。以前は情報を本に求めた人たちが減っていっていることは事実だし、それを否定はしない。
 しかし、収集情報量の多さへの戸惑いと、剽窃の巧みさに時間が費やされ、「知・情・意」の掘り下げ方が浅くなっていることを問題視する。

 標記の宮崎さんの考えは、対スマホとの関係からではなく、教育現場の「国語」教科のあり方を問題にする。本を書いた人をいかに理解するかばかりに読書の中心が置かれ、読者を作者のしもべにする習い性が、後遺症として読書嫌いを作り出しているのでは、と考える。

 確かに、「国語」のテストといえば、「作者の意図は?」が必ず顔を出す。読書のあとには感想文が強要される。読書は読者のわがままな読み方でいい。読者が王様でいい。たとえわがままでも、“読書ゼロ”よりもずっといいのではないか。

(この人このことば/五嶋靖弘『月刊プリンシパル』2015年2月号/ 学事出版より)


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