偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・学級通信・進路通信

やらされている選手は指導者の前でしか、しっかり走らない。
「自分発」でなければ続かない。

(『読売新聞』2015.10.26)十倉 みゆき さん(立命館大学陸上部コーチ)

 第33回全日本大学女子駅伝(2015.10.15仙台)で、自身がコーチを務める母校立命館大学を優勝に導き、史上初の5連覇を達成した。

 コーチを引き受けた時の母校は、惨憺たる状態。全国で15位前後で、大学から「とりあえず1年つないでくれ」という程度の要請であった。学生を見渡しても目標意識は低く、少しの厳しい練習にも不満、生活管理を訴えても、もめごとが起きる状態であった。

 これをどうするか。学生の走る技や資質を云々するよりもまず、手をつけなければならないのは意識の変革だった。「立命館で戦いたい」という強い意識をどう持たせるかに腐心した。
 そのために試みたことが、「つらさを超えてしか得られない感動」を個々に持たせることに焦点を当てた。

(中略)たしかに以前よりは学生の中にやる気が見えるようにはなった。しかし、観察を深めてみると、やらされているから出ているやる気と、自ら醸成している「自分発」のやる気の違いに気づいた。この違いは大きい。

 泣く学生が出て、きついコーチだと批判もされたが、信念は曲げなかった。全学生の性格はしっかりと把握、そのうちチームに「自分発」の選手が増えてきた。烏合の衆が解体し、個々の精鋭化がはじまった。5連覇の礎、責任を他人のせいにしない集合体の誕生である。

(この人このことば/五嶋靖弘『月刊プリンシパル』2016年1月号/ 学事出版より)


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