偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
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対象学校だより・学級通信・進路通信

死ねば死ぬほど生きていける

八名信夫(俳優)

八名信夫といえば悪役、悪役といえば「悪役商会」、彼はその元締め。さぞ実物も強面(こわもて)と思いきや、青汁のCM「まずい、もう一杯!」でひょうきんな一面をお茶の間に見せて、人気を獲得した。(中略)

そんな彼にも認められるまでには、人知れない苦労があった。標記の言葉はNHKテレビ番組「親の顔が見てみたい?」に出演したときのものである。プロ野球選手をやめて東映の映画俳優になったが、一回役をもらったものの、次回までのブランクは長く、食べることにも事欠くありさまであった。

そのとき気づいたのが、悪役俳優たちの仕事量の多さだ。なぐられたり、撃たれたり、殺されたりすると、また次の役がすぐに回ってくるのだ、バッタバッタとやられる端役を楽しんでいるかのように。そして悟った、「死ねば死ぬほど生きていける」と。それからの彼は、一度は主役をはったが、そんなものはかなぐり捨てて、生きるために悪役専門に徹することになった。

悪役はやられて息絶えるまでの6秒間が勝負だという。それに全神経を集中させて、今日まで生きてきた。そしていまいう、「悪役には悪役の華がある」と。生きていくために自分の居場所を定め、それに徹すること。この人生はだれがどう思おうと強い。

(『生徒に贈る言葉の花束』佐藤允彦著/学事出版より)


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