偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象 学校だより・学級通信・学年通信

小さい頃から持っていた、わからないことを「わからない」と言える強さで、いろんな人の意見を聞いているうちに、自分を俯瞰できるようになったのかもしれません。
(「ORICON NEWS」2017.8.4)

石原さとみ さん(女優)

 人は自分の殻からなかなか出られないものなのに、彼女は、いろいろな状況下の自分を「俯瞰」ができるようになったという。高みから自分を客観視するクセが付いてきたというのだ。 (中略) 自分が「わからない」ことはわからないと告白し、その部分を必ず埋めようと人に尋ねる、この繰り返しが「俯瞰」する力をつけさせたのではないかと、振り返る。この、自省する力と人に教えを乞うこととがどうして俯瞰力に結びついていくのか。

 自分には「わからない」ことがあまりに多いことの素直な自覚と、それを即座に好奇心へ転換させていく勇気がそうさせているのではないか。その道程は自分を謙虚にすると同時に、人への尊敬の念を募らせることにもなる。

 この葛藤が、自分の殻への執着やこだわりを捨てさせ、与えられた役づくりへと向かわせるのだろう。役は「わからない」ことだらけ。だから考え、尋ねる。それが見事な迫力ある演技となって結晶しているにちがいない。


(『月刊プリンシパル』2017年10月号、講話に生かせる現代の名言67(五嶋靖弘)/ 学事出版より)


「偉人・達人が残したもの」バックナンバー