偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
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対象学校だより・学級通信・進路通信

これであなたもネアカになれる

明石家さんま(タレント)

あの明石家さんまさん、実はネクラの典型だったというから驚く。
小学校時代のさんまさんは「勉強は苦手」「運動もそこそこ」「歌はオンチ」という三重苦の中で、完全なネクラ人間になっていた。何をやってもパッとせず、まるでコンプレックスのかたまり。しかし、心の中では「何でもいいから目立ちたい、一番になりたい」と願い続けていたという。

そんなさんまさんにチャンスが巡ってきたのは、小学4年の時のクラス誕生会。友人と組んで漫才をやったのが受けに受けた。さんまさんは、一躍クラスのスターになってしまった。その時のネタはこんな話。
「大鵬(当時の大横綱)とかけて何と解く。おまえのパンツと解く。そのココロは、いつ破れるか見もの」

これで自信をつけてしまったさんまさんは別人のように活発になり、学級委員に連続して選ばれたりもした。さらに、みんなに受けるひょうきんなネタを工夫するようにもなったのである。
さんまさんは「いまの僕があるのは、あの誕生会のおかげです」と。(中略)

吉本興業の会長だった中邨(なかむら)秀雄さんにお会いした時に、この話が本当かどうか聞くと、「それは本当です。さんまは吉本に来てからもまだネクラ気味でしたね。人間は訓練さえすれば、いくらでもネアカになれるんです」。(中略)

中邨さんが言うネアカになるための訓練とは、いかなるものだろうか。
まず、人間を好きになること。人間を好きになるとは、人と上手に話をすることができること。人と話を上手にできるとは人の話をよく聞くことであり、聞き上手になれということだそうだ。聞き上手になるために一番いい話し相手はお年寄りだという。

お年寄りというのは、同じことを何度も何度も繰り返して話すもの。その時に「その話はもう聞いたよ」ではなく、初めて聞くようにして忍耐強く聞くことがポイントらしい。これを続けていると、自然とプロの聞き手・話し手になれるという。さんまさんもこの訓練をしたかどうかはわからないが、いまでは仲間の芸人から嫌がられるほどの話し好きのネアカ人間になっている。

話し上手・聞き上手ということは、見方を変えれば情報収集能力にたけているということでもあるし、交際術の基本でもあるわけだ。適度のネアカを目指して、お年寄りと話をしてみてはいかが?

(『講話が楽しくなる話題の玉手箱』松本陽一編著/学事出版より)


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