偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・学級通信・進路通信

大人になるとは、知らないことがあっても、そんなことも知らないのか、といわれ、
恥をかかされるのがこわくて、質問しないような人間になることだ。

なだいなださん(精神科医・作家)

 子どもはわからないことは素直に聞く。「恥ずかしい」という気持ちがないからだ。あとになって、とんでもない時に知り得た「豆知識」を披露して大人を驚かす。子どもは質問して憶えていく。(中略)

 研究会などで終わりに質疑の時間を設けることがあるが、質問が出なくて司会者が困ることがよくある。質問が出ないのは、よく理解できなかったからか、問題に関心がなかったからか、寝ていたか、いろいろ理由があると思うが、最大の理由は、質問して的はずれだったら笑われるのではないか、恥をかくのではないかということにある。(中略)

 日本は「恥の文化」の国だというが、今は恥じることも知らない国民になってしまったのだから、皆で堂々と「なぜ」「どうして」と質問して、いい大人になろうではないか。

(『生徒に贈る言葉の花束』佐藤允彦著/ 学事出版より)


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