偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・学級通信・進路通信

みんながセリーナを応援しているのは知っています。
こんな形で終わってしまって、ごめんなさい。
でも、試合を観戦してくれて、ありがとう。

「読売新聞」2018.9.11 大坂 なおみさん(テニスプレーヤー)

 全米テニスオープンで、あれよあれよという間に優勝。日本人はおろか、世界中が驚き、賞賛の声が起こった。それもそのはず、無敵の女王、セリーナ・ウイリアムズ(36)を20歳の大坂がストレートで破ったのだから。

 相手はアメリカ人、場所はニューヨーク。完全なアウェーでの偉業である。途中、何度にもわたるブーイングの嵐。すべてがセリーナへの後押しであるが、その中で優勝を決めたのだ。
 勝者は多くの場合、ガッツポーズをとったりするが、大坂はサンバイザーで目元を隠すようにし、喜びを押し殺した。小さい頃からの〈憧れの人〉への礼儀が自然に出たものであろう。

 勝者の陰には敗者がいる。気持ちの落差は天と地、この静かで鷹揚なしぐさのすべてに、彼女の謙虚さと精神力の強さがにじみ出ている。そして、インタビュー。その時の言葉が標記の言。「こんな形で終わってしまって」、自分の喜びを表す言葉は一つもない。さらに続けた、「セリーナと戦うのが私の夢だった。あなたと試合ができてうれしい」と深々と頭を下げた。この瞬間から、ブーイングが消え、新しい女王を称える拍手がわき起こった。

 テニスコートがこれほどの劇場に変貌したことが今までにあったか! 誇らしいテニス女王の日本からの誕生。喜びたい。

(『月刊プリンシパル』2018年11月号、講話に生かせる現代の名言80/ 学事出版より)


「偉人・達人が残したもの」バックナンバー

助成物品のご案内

はがき新聞づくりのすすめ

学級力向上プロジェクト

プリントコミュニケーションひろば

「防災はがき新聞」で防災対応力を高める!

2024年度実践報告書ご提出のお願いとはがき新聞ご利用継続のご確認

プリントメディアの研究情報誌「季刊理想」

理想教育財団について

通信づくりの知恵袋

新聞入門ナビ

2色プリントの研究

無料冊子プレゼント

財団だより

トピックス