偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学校だより

本を読んで想像力を養って、人に愛を感じて優しくする。
もうそれだけで人間に生まれてきた価値があるんです。

瀬戸内寂聴さん(作家・尼僧)

 ある酒造メーカーが主催する若者への講演会の中で話した言葉です。(中略)
「苦しんだ人ほど、愛が深いものです。それは他者への想像力が働くからです。この想像力はみんな持っています。でも、鍛えないと磨り減って鈍くなってしまいます。想像力を鍛えるためには本を読むことです。とにかくよい本を読むことです。本を読まない青春なんて、青春ではありません」と話しています。

 人間は一つの人生しか味わえません。本の中には、いろいろな人生が描かれています。それを知ることが大切なことです。そこで標記の言葉を話しました。
 続けて、「有名な人にならなくても、大金持ちにならなくても、ただ誰か一人の人を幸せにする、誰か一人がその人がいるために心が和み、生きていることがうれしくなる。そういう人になることが人生を生きるということです」と。

(『心を育てる言葉の贈り物』岩田壽夫著/ 学事出版より)


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