偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学校だより

教養はものを識ることとは関係がない。
やっぱり人の心がわかる心というしかない。
それが日本風の教養の定義であろう。

養老孟司さん(解剖学者)『まともな人』

 養老さんは恩師が口癖のように言っている「人の心がわかる心を教養という」という言葉を紹介して、そのあとに標題の言葉を述べている。そして、「自分だけの考え、自分だけの理屈、自分だけの感情、そんなものがあったところで、他人に理解され、共感されなければ、まったく意味をもたない。そういう徹底的に『個性的』な心をもつ人は、精神科の病室に入っている」と。(中略)

 養老さんは、教養とは「身につける」ものであって「頭の教育」ではないと言う。身につかない知識を大量に頭に詰め込んでもそれは教養ではない。同じ言葉がD・カーネギー氏の『人を動かす』という本のなかにあった。「自分のことだけしか考えない人間は教養のない人間である。たとえ、どれほど教育を受けても、教養が身につかない人間である(コロンビア大学総長・バトラー博士)」。  人の心がわかる心を教養というのは、日本風ではなく世界的な定義である。

(『生徒に贈る夢と希望がふくらむ150の言葉』佐藤允彦著/ 学事出版より)


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