偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学校だより

チンパンジーは人真似しません。
仲間から学ぶのです。

栃本 忠良さん(元高等学校長)

「さる真似」という言葉があります。サルは人の真似をすると思われていて、現に「さる知恵」とか「さる芝居」などという言葉があって、人より劣るけれど人と似たようなことができると信じられています。(中略)

 しかし、チンパンジーは決して人の真似をせず、仲間からのみ教わるのだそうです。  教わるといっても仲間のしぐさを「盗み取る」ので、人間社会とは異なります。若いチンパンジーは人のしぐさを真似ることがあって、それを年上のチンパンジーが真似て覚えるのだそうです。(中略)

 栃本さんは動物、特にチンパンジーに詳しく、退職後動物園でボランティアとしてチンパンジーの特性などを観客に教えています。サルの集団は、ボスザルに統率されていて、一見強い者勝ちの世界のように思われていますが、チンパンジーは、食べ物でも先に手にした者からはたとえボスでも奪うことはしないそうです。仲間内のルールは厳しく守られていて、違反するものはたとえボスでも仲間から追放されるとのことです。人間はどうでしょう? 弱い人や年下の人から物を奪うことはありませんか。

 チンパンジーは体脂肪率が5%くらいしかなく、そのため泳ぐことができません。かつて興奮したチンパンジーが堀に飛び込んで水死したそうです。「猿の水練、魚の木登り」ということわざがありますが、それは「全く見当違いのことをする」という意味です。人間に最も近いチンパンジーには興味が尽きませんね。

(『子どもの心を育てる珠玉の言葉』佐藤允彦著/ 学事出版より)


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