偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学校だより

機会を待て。だが、けっして時を待つな。

ヴィルヘルム・ミュラー(ドイツの詩人)

 西洋の諺に「時の前髪をつかむがよい。時には後ろ髪はないのだから」というものがあります。時は移ろいやすいものです。「そのうちに」と思っていてチャンスを失った経験はだれにもあるはずです。  その気になって努力し、心がけていれば機会はつかめるものですが、時はそういうわけにはいきません。

 17世紀のイギリスの詩人ロバート・ヘリックは、『乙女らへ、時を大切にせよ』という詩の中で、
    花あるうちに花を摘め、老いたる「時」は待ってはくれぬ
    今日はほほえむこの花も、明日はかならず死に果てるゆえ
と謳っています。

 青春時代は夢のごとく過ぎ去ります。(中略)あれこれ迷っているうちにチャンスを失いかねません。この詩は、ただいたずらに待って年を取ることの愚かしさを娘たちに教えているのですが、これを広く解釈して、青春時代の大切な時を永遠の時に結びつけるように勧めている言葉だと解釈したいと思います。まさに、「歳月人を待たず」です。

(『子どもの心を育てる珠玉の言葉』佐藤允彦著/ 学事出版より)


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