偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学校だより

20世紀が協調性なら、21世紀は社交性。

森 毅さん(数学者・作家)『元気がなくてもええやないか』

 この言葉の後に、「いまどき協調性を口にする人は守旧派。統一中心の標準化志向から、多様性の創造志向へ変わらねばなるまい」と続く。

 学校には教育目標があって、(中略)校則を決め、ルール違反を厳しく指導する。平等を何よりも重んじ、特別扱いを嫌う。「みんないっしょに」が合言葉になる。仲間意識を育てようとする。

 考えてみれば、それは学校経営の円滑化を図る手段で、生徒のためではなかったのかもしれない。「みんな仲良く」すれば楽しいし、はた目には幸せに見える。いじめ防止には絶対必要な指導方法だった。でも、個性的な生徒はいつも仲間からはみ出して、時にはいじめの対象になっていた。森さんが言うように「仲間というものには、外を排除し内を抑圧する病理がある」のだ。

(『生徒に贈る夢と希望がふくらむ150の言葉』佐藤允彦著/ 学事出版より)


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