偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・学級通信・学年通信

挑戦する、夢を持つ。人生の目標は一流の会社にはいることだけじゃないよ。

野口 健 さん(登山家)

 新聞の“この人とこんな話”というコラム欄で、1999年の5月、世界最年少で七大陸最高峰を制覇した人が話した言葉の一つです。
 1973年生まれ。16歳のとき、今は亡き冒険家の植村直己さんの著書『青春を山に賭けて』がきっかけでした。初めての登頂は、本を読んですぐの、16歳、モンブランでした。それから10年目に、目標としていた七大陸制覇を成し遂げたのです。

「人はなぜ生命を賭けて山に登るか問うでしょう。ぼくの場合は落ちこぼれから脱出するためだったんです。山に登ることで人と肩を並べたかったからです。君もなかなかやるねと認めてもらうために山を選んだので、登山家といわれると困るのです」と。小学校時代のいじめ体験、中学、高校では落ち着きがなく、成績も目を覆うほどでした。そのときに植村さんの本に行き当たり、自分に課し、その目標を変えることなく実践してきたのでした。
 きっかけはいろいろあるでしょうが、目標を立て、それを実行していく、そういう力はだれもが持っています。

(『心を育てる言葉の贈り物』岩田壽夫著/ 学事出版より)


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