偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学校だより

礼は人を美しくする

中野 孝次さん(作家)

 最近、人間関係がギスギスしてきてストレスがたまる、と嘆く人が多くなっています。混雑した電車の中で足を踏んだ、肩が触れたといってトラブルが起きます。(中略)  他人に迷惑をかけたら「すみません」、席を譲ってもらったら「ありがとう」と言うだけで穏やかで気持ちのいい一日が過ごせます。(中略)

『新約聖書』の「マタイ伝」は、「自分にしてほしいと思うことはみな、同じように人にもしなければなりません」と教えています。『論語』にも、『己の欲せざるところを、人に施すことなかれ』とあります。誰でも共感するこの考えを理解するにとどめるのではなく実践していかなければ、ストレスだけでなくトラブルもなくならないでしょう。

 人の美しさは見目姿ではありません。人間関係の基本ルールである礼儀作法こそ人を美しくします。

(『子どもの心を育てる珠玉の言葉』佐藤允彦著/ 学事出版より)


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