偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学校だより

言葉は手に似ているとおもう。手は固めて人を突くことも、広げて人を抱くこともできる。
そのように、言葉にも突き刺す言葉と抱きよせる言葉とがある。

上田三四二(歌人・作家)

 この言葉に続けて、「突き刺す言葉がいちがいに悪いともいえない。言葉にははたらきとしてそれが必要なこともしばしばある」と、上田さんは言葉の効用を述べている。

 今は優しい言葉、曖昧な言葉が好まれている。人を傷つける言葉を使わないように気を配り、相手のミスを指摘するにしても人間関係を損なわないよう曖昧な言葉を使う。だから、人に不快な感じを与えても平気な人は、いつまでたっても自分の欠点に気づかない。そんな人には、時には勇気をもって「突き刺すような言葉」で反省を求める必要がある。でも、これがなかなかできない。上田さんもさらに続けてこう述べている。
「しかし言葉は発生のはじめから、敵にたいする威嚇よりは仲間にたいする呼びかけを主としている。言葉のはたらきは抱きよせることにある」

(『生徒に贈る夢と希望がふくらむ150の言葉』佐藤允彦著/ 学事出版より)


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