偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学校だより

友情は成長の遅い植物である。

ジョージ・ワシントン(アメリカ合衆国・初代大統領)

 若い人たちの携帯電話にたくさんのメール・アドレスが登録されています。知り合うとすぐアドレスの交換をして、その数が多いことを自慢します。メール交換ができれば友達になった証だと言うのです。でもそれは本当の友達といえるのでしょうか。(中略)

 友情とは種まき(出会い)から、時間をかけて水やりをしたり、草取りをしたりしなければ結実しない植物のようなものだと私は思います。
 次の著名人の言葉を参考にして下さい。
 ◯ 友を得るに急なる勿れ。親友は自然に得るものなり。
   (国木田独歩『病床録』)
 ◯ たとえその底に動かぬ一目惚れの直感があるとしても、
   われわれ凡人にとってその友情はやはり長い年月のうちにしか築かれなかった。
   (中野重治『山猫その他』)
 ◯ 悲しみをともにする友は得やすく、喜びをともにする友は得がたい。
   (萩原朔太郎『港にて』)
 ◯ 友人というのは、ただ黙って向かい合って座っているだけでも自ずと心が暖められる。
   (高見順『故旧忘れ得べき』)

 これらの名言をしっかり心に刻んで真の友情を育ててほしい。気休めを言う友や、遊び相手だけの友はやがて離れていくでしょう。時間をかけて育てていきましょう。

(『子どもの心を育てる珠玉の言葉』佐藤允彦著/ 学事出版より)


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