偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・学年だより・学級通信

心が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、運命が変わる。

以前テレビで紹介されていた松井秀喜選手が好きな言葉

 これは誰の言葉かわからない。以前、テレビで松井秀喜選手が好きな言葉として紹介されていたのを覚えている。いい言葉だと思ったが、いつとはなく忘れてしまっていた。  それが、月刊『少年育成』(大阪少年補導協会)の6月号で、再びこの言葉と出合うことになった。

 

 作曲家の西浦達雄氏が「心の声」と題する文のなかで、北海道のある高等学校に招かれて演奏した後で野球部の宿舎に泊まったときに、部員たちが毎日欠かさず書いていたたくさんの日記の裏表紙に、この言葉が書かれていたのを見て、非常に驚いたと書いている。

 

 若いころに、自分で探し当てた言葉が後の人生に多大な影響を与えることがあるが、親元を離れて他人の中で合宿生活をする少年たちが、たとえそれが他から借りてきた言葉にせよ、日記帳にこんな心に残る言葉をつづっていることに感動したというのである。(中略)

 

 この高校の卒業生で甲子園大会の前夜に、監督にレギュラーをはずされ挫折感に打ちのめされた少年が、「自分のチームが勝ち進むうちに次第にチームと一体になっていく自分に気づき、野球をやってきてよかった、という気持ちが込み上げてきた」と、当時のことを語った。西浦氏はこれを聞いて、彼のこの心の動きこそ、スポーツの本来もっている力、果たすべき役割であると感じたという。

(『生徒に贈る言葉の花束』佐藤允彦著/ 学事出版より)


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