偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・学級通信・進路通信

ある行動をして成果が得られない場合、なぜそのような行動をしたのか
と問うのではなく、どのようにすればよいかを考えてみることです。
そうすれば解決の手がかりを探せます。(「日本経済新聞」2015.8.30)

大野 裕さん(精神科医)

 子どものころの母親との関係を思い出してみるといい。「なぜ、そんなことをしたの」「どうして××しなかったの」と責められた時、確かに自分に非があり、謝るべきなのに、なぜ・どうしての言葉が詰問に思えて、素直になれなかった経験は、少なからずの人が持っているのではなかろうか。

 もちろん、期待した成果が得られなかったり、予期せぬ結果が出たりした場合、その原因を探して解決を図っていくことは大事である。しかし、当人は人から言われる前に、自ら結果に動揺している。そんな状況のもとで、なぜと問われても、冷静に振り返って原因を探すことはなかなかむずかしい。そればかりか、そのときのなぜには責めの臭いが立ちこめている。それよりも、「これから」に視点を移して、どのようにすればよいかを考える方が、感情に飲み込まれないで対処できる。

 コミュニケーションの基本的な姿勢は、「なぜ=WHY」と尋ねるのではなく、「どのように=HOW」と問いかけることにあると言われる。これは自分への問いかけにも通じるもので、自身の心のバランスを生み出す知恵でもあろう。

「なぜ」に対しては「どのように」、「過去」に対しては「これから」、悲観的に対しては楽観的、このバランスの取り方を「認知療法」は教え、「心の力」を回復させると大野氏は言う。

(『月刊プリンシパル』2015年11月号/ 学事出版より)


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