「むずかしいのは続けること」「やってみたこと、ためしたことが財産」など、
担任として、校長として子どもたちとのふれあいのなかで
学校生活から拾いあげたちょっといい話。
通信のネタ探しのヒントにもなります。
<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。
学級通信・学年だより |
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秋
八木重吉という詩人がいます。大正時代の終わりから昭和の初めごろにかけて活躍した人です。今から百年近く前の人になりますね。(中略)しかし、この詩人の作品は、今でも小学校の国語の教科書にも載っています。みなさんの中にも、もう学習をした人がいるのではないでしょうか。みなさんにとっては、はるかに昔の人と思うような詩人の使った言葉の中に、こんな一節があります。
秋が くると いうのか
なにものとも しれぬけれど
すこしずつ そして わづかにいろづいてゆく
わたしのこころが
それよりも もっとひろいもののなかへ くずれて ゆくのか
まわりの景色が次第に「いろづいてゆく」のが秋です。みなさんもそう感じますね。百年前に、詩人も、まったく同じことを思っていたのですね。そして、「こころが それよりも もっとひろいもののなかへ くづれて ゆくのか」と、自分の気持ちについて考えを深めていきます。「もっとひろいもののなか」って、何でしょうか。どこに心が向かっていくのでしょうか。いろいろな考え方ができると思いますよ。みなさんも、自分なりに、自由に想像を深めてごらんなさい。
(『子どもたちに詩の心を伝える講話』小金澤豊著/学事出版より)
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