子どもに届けたい今日のひとこと

「むずかしいのは続けること」「やってみたこと、ためしたことが財産」など、
担任として、校長として子どもたちとのふれあいのなかで
学校生活から拾いあげたちょっといい話。
通信のネタ探しのヒントにもなります。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・校長室だより

見直してみよう 自分の読書習慣

 最近はCDによる耳からの読書、メモリーを使った携帯モニターでの読書など、スタイルにも変化が見られます。それでもやはり金額、便利さなどから考えて、従来の本による読書に勝るものはないと思われます。読書の一番のすばらしさは、「自分から向かう姿勢」にあると思います。(中略)本の選び方、読み方など、どれをとっても“主体的な自分”の存在がそこにあります。これはとても大事なことです。

(中略)

 ある中学2年生の体験を紹介します。その子は「世界一周読書の旅」という計画を思いつきました。模造紙に世界地図を描き、一国に一人ずつ作家名を記入し、代表作を一冊ずつ書き込みました。夏休みから始まったこの旅は、長い時間が必要だったようですが、その後、仲間4人と読書の会をつくり、毎週1回家に集まり、読んだ本の話をしたり、課題図書を決めて、感想を言い合ったりしたそうです。

 本を一冊読んだので、こんなに得しました、良いことがたくさんありました、ということは期待できないことでしょう。しかし、若い頃に読んだ本が、その後の人生を意外なところで支えてくれたり、後押しをしてくれたり、さらに人生を豊かにしてくれるということは大いにあることだと思います。強いて言えば、それが読書をした人へのご褒美かもしれません。

(『心にのこる講話のつくり方&例話』内山利彦著/学事出版より)


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