子どもに届けたい今日のひとこと

「むずかしいのは続けること」「やってみたこと、ためしたことが財産」など、
担任として、校長として子どもたちとのふれあいのなかで
学校生活から拾いあげたちょっといい話。
通信のネタ探しのヒントにもなります。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・校長室だより

新しい駅伝のスタート

小寺 正樹(東京都台東区立忍岡中学校長)

 駅伝において、自分の区間を走り終えた選手が、走り切った区間に向かって一礼をすることに気づきました。この一礼は、自分を走らせてくれた区間、自分を支え応援してくれた仲間や監督、声援してくれた沿道の人々への感謝の気持ち、やり遂げた後の自分の走りの振り返り、反省の心を表しているものだと思いました。

 学校の1年間は、1人で3区間を走り切る駅伝と言われています。春から夏への1学期、残暑から実りの秋を経て初冬までの一番長い区間の2学期、締めくくりの3学期を1人で走らなければなりません。昨年の駅伝を走り終えた諸君は、春休み中に走り切った1年間に対し、感謝と振り返りの一礼をしたことと思います。

 今年の駅伝でも、最初にどのような目標タイムを設定するのか、そのためにどんなペース配分で走り切るのかを決めることが重要です。諸君が素晴らしいスタートダッシュを決め、目を見張る走りを見せてくれることを期待します。

 新しい学年への「進級」は一つのチャンスです。今までの自分を変えるチャンスなのです。3年生は最上級学年として、学校の顔や柱としての走りを、2年生は中堅学年として、学校の心臓となる走りを見せてください。

(『月刊プリンシパル』2017年4月号「子どもに語る例話」/学事出版より)


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