子どもに届けたい今日のひとこと

「むずかしいのは続けること」「やってみたこと、ためしたことが財産」など、
担任として、校長として子どもたちとのふれあいのなかで
学校生活から拾いあげたちょっといい話。
通信のネタ探しのヒントにもなります。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・学級通信

その後の「北風と太陽」

 諸君は「北風と太陽」という話をしっとるか?
「あのコートの脱がしっこの話でしょ?」
 そうである。北風は負けだが、実は、あの話には続きがあるのをしっとるか?
 北風はリターンマッチを挑んだのである。
 今度はどちらが多く汗をながせるか?という勝負をしたのだ。

北「太陽さん、というわけで汗をかかせる勝負受けてくれますね」
太「いいですよ。では、今度は私から。それ!」
 輝きを増した太陽は、旅人にたくさんの汗を流させた。太陽の勝利は確実に思えた。
北「では、私の番ですね。それではいきますよ」
 北風は、前回と同じように風を強めた。前回と違うのは、吹き加減が多少弱めで数回繰り返されているということだ。
 旅人は、コートを強く握り締めていたが、何を思ったのか突然走り出した。
「凍えているよりは、走ったほうが早く宿につくな」
 宿についた旅人は、びっしょりと、それも心地好い汗をかいていたとさ。

 教師みんなが太陽になって、無理矢理子どもに汗をかかせるなんて変だなあと思う。冷たい北風があるからこそ、子どもは自分で汗をかく努力をするのではないだろうか。

(『こんな時どう言い返す〜ユーモアあふれる担任の言葉』池田修著/学事出版より)


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