子どもをやる気にさせる話

子どもがやる気を出すとき、その意欲の源となるのは夢と希望です。「あんなふうになりたい」「こんなことをやってみたい」という夢みる力と、「ボクにもできる」「ワタシだってやれる」という希望を子どもたちにどう与えるか。
そのヒントがギュッとつまった話をご紹介します。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象 学級通信・学年だより

見て、見つめて、見極める

熊田千佳慕(画家)

「日本のプチファーブル」と呼ばれた細密画家の熊田さんは、2009年8月13日、98歳で亡くなった。(中略)徹底した観察でリアルな技法は評判を呼んだ。納得するまで描くため、一枚の絵を描くために数カ月もかかったので金銭的に苦しい生活を送った時代もあったという。

 筆の穂先で昆虫の細かな毛先や植物の葉脈の一本一本を立体的に点描画法で丁寧に描いた。本物と見まごうほど素晴らしく、しかもほのぼのとした愛があふれている絵が多い。(中略)

 対象物をただ「見る」だけでなく、同じ目線で「見つめ」、さらに細部まで「見極める」熊田さんの生き方は、近年の何でも「はやく、はやく」という生活の対極にある生き方で、おおいに反省させられる。(中略)

 今日の生活で大切なことは、もっと時間をかけるということではないだろうか。時間をかけて「考える」生活を取り戻さなければ真にいい結果は得られない。(中略)
 英語に「SOON GOT, SOON GONE(得やすければ、失いやすし)」ということわざがある。日一日を大切にすれば人生を「極める」ことになるに違いない。

(『生徒に贈る夢と希望がふくらむ150の言葉』佐藤允彦著/学事出版より)


「子どもをやる気にさせる話」バックナンバー