子どもをやる気にさせる話

子どもがやる気を出すとき、その意欲の源となるのは夢と希望です。「あんなふうになりたい」「こんなことをやってみたい」という夢みる力と、「ボクにもできる」「ワタシだってやれる」という希望を子どもたちにどう与えるか。
そのヒントがギュッとつまった話をご紹介します。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより

疑いをもたない秀才より、好奇心をもった劣等生になりなさい。

塩野 七生(作家)

 子どもは好奇心のかたまりです。あのキラキラした瞳には「驚く心」が潜んでいます。夢と現実の間を行き来できる幼少年時代は、知ることよりも感じることがすべてであり、自然に生きることができる大切な時代です。長ずるに及んで、知識を得ることが生活のすべてを占めるようになり、いつしか感動する心を見失ってしまうのです。

(中略)

 作家の塩野七生さんは好奇心のかたまりみたいな人で、イタリアの歴史や風物に魅せられてイタリアに住み、執筆活動を続けています。塩野さんは16歳の時、ある本を読んで、地中海の歴史や文化に魅せられて、その歳にはギリシャ語とラテン語を独学で勉強しはじめたそうです。16歳の年頃ならファッションやおいしい食べ物や映画・旅行などに目が行くと思いますが、感動したことにずっとはまったままでいるのです。

 イタリアの古い資料を徹底的に調べて、作家と歴史家の両方の視点で古代ローマの人物像を描きあげた塩野さんの大作『ローマ人の物語』を読んでいると、まるでその時代に生きていたかのように、人物を生き生きと描いていることに驚かされます。少しでも疑問に思うことは徹底的に調べるからでしょう。塩野さんは、「好奇心をもった劣等生」ではなく、好奇心をもった秀才です。

(『子どもの心を育てる珠玉の言葉』佐藤允彦著/学事出版より)


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