子どもをやる気にさせる話

子どもがやる気を出すとき、その意欲の源となるのは夢と希望です。「あんなふうになりたい」「こんなことをやってみたい」という夢みる力と、「ボクにもできる」「ワタシだってやれる」という希望を子どもたちにどう与えるか。
そのヒントがギュッとつまった話をご紹介します。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象 学校だより・学級通信・学年だより

批判は人を変えない。人が変わるのは、真の愛に触れたときだけだ。

木崎さと子(作家)『自分らしく生きること 自分らしく死ぬこと』

「あの人、変わったね」「どうしたんだろう、アイツ付き合いが悪くなったァ。何かあったのか」こんな会話を耳にすることがある。人はどんなときに変わるのだろうか。

 

 肉親の死に遭ったり、失恋したり、心身に大きなダメージを受けたときに人は変わることが多いが、その大抵は笑顔もユーモアもなくなり、どこか近づき難い雰囲気をまとうようになる。また、何か特別な目的、それも達成が極めて困難な目的をもったとき、ほかのすべてを犠牲にして、ひたすら取り組む人を見ると別人になったように感じることがある。

「人が変わったようだ」と言うとき、その人本来の性格とは別人のように感じられて、あまりいい感じを抱かなくなる。それに対して人に愛されたり、信頼されるようになったときなどは、穏やかで人間らしくなるようだ。

 いい例が誰でも知っているフランスの小説『レ・ミゼラブル』にある。「銀の食器」を盗んだジャン・ヴァルジャンは、警察官に「それは彼にあげたものです」と言う神父の愛に触れて劇的に人間性を取り戻す。

 人間は、叱られたり批判されたりしても、よほどのことがない限り、変わらないのではないだろうか。そこには自己弁護の気持ちが残っているからだ。それに対して愛の力は人間を根本的に「善」に変える力があるようだ。

(『生徒に贈る夢と希望がふくらむ150の言葉』佐藤允彦著/学事出版より)


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