子どもをやる気にさせる話

子どもがやる気を出すとき、その意欲の源となるのは夢と希望です。「あんなふうになりたい」「こんなことをやってみたい」という夢みる力と、「ボクにもできる」「ワタシだってやれる」という希望を子どもたちにどう与えるか。
そのヒントがギュッとつまった話をご紹介します。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・教科通信・進路通信

なぜ復習が必要か

一度覚えたものでも、時間が経てば忘れてしまうという経験を誰しももっています。しかし、たった一度でも強く印象づけられたものは、時間が経過しても記憶がうすれることはありません。ドイツの文豪ゲーテは「関心のないところに記憶はない」といっています。たしかに興味を引かれたこと、関心の深いことは特に覚えようと努力しなくても記憶にとどまりやすいことは、われわれが日常体験するところです。

ところで、記憶には短期記憶と長期記憶があります。短期記憶は電話をかけるときに番号を覚えるようなもので、短時間で忘れてしまうような記憶です。(中略)記憶を定着させるためには、短期記憶を長期記憶にする必要があります。そのためには繰り返しが必要です。

一度覚えたことを思い出せないのは、完全に忘れてしまったのではなく、意識下の脳に蓄えられていると考えられています。だから、あまり間隔を空けずに覚えることを繰り返すと記憶が確かになるのです。
勉強における復習の大切さはそこにあります。それでは、どれほどの間隔を空けて復習するのが一番効果的かというと、1か月以上空けてしまうと、効果がないことが確かめられているのです。(中略)

このタイミングを逃すと学習の効果は得られません。だから、効率のよい学習とは、以前の記憶がまだ短期記憶として保存されている1か月のうちに、覚えたい情報をもう一度、「これを記憶せよ」と確認することで、長期記憶に移行させることです。これを利用すれば、「復習」によってきわめて強い記憶をつくることができます。

最後にもっとも効率のよい復習のやり方をまとめてみましょう。
まず、1週間後に1回目の復習。次に、この復習から2週間後に2回目の復習。そして最後に2回目から1か月後に3回目というように、1回目から3回目まで少しずつ間隔を広くしながら、2か月かけて復習を行うのがよいでしょう。

(『学ぶ力と意欲を育てる60のいい話』笹田哲夫著/学事出版より)


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