子どもをやる気にさせる話

子どもがやる気を出すとき、その意欲の源となるのは夢と希望です。「あんなふうになりたい」「こんなことをやってみたい」という夢みる力と、「ボクにもできる」「ワタシだってやれる」という希望を子どもたちにどう与えるか。
そのヒントがギュッとつまった話をご紹介します。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより

人間は、人なみでない部分をもつということは、すばらしいことなのである。
そのことが、ものを考えるばねになる。

司馬遼太郎『十六の話(洪庵のたいまつ)』

 緒方洪庵は備中(岡山県)の足守藩の藩士の子として生まれたが、生まれつき病弱で漢学の勉強も剣術の稽古も思うようにできなかった。そんな自分の体を歯がゆく思っていた。洪庵は人間が健康であったり、病気になったりするのは何が原因なのか、体がどんな仕組みになっているのか疑問に思って蘭方医学を学んだ。人なみでない病弱な体をもったことが、洪庵を医学の道に進ませたといっていいだろう。

 22歳のとき、江戸に出て働きながらオランダ語を習得し、その後、長崎で2年間学んだ。29歳で大阪に戻り、適塾を開いた。オランダ語を教え、病人の診療を続ける洪庵は多くの人に慕われた。

 若いときは、人なみでありたいと思う一方で人とは違った存在でありたいと思う。人より優れた点があれば誇りに思い、劣っているところがあれば劣等感に押しつぶされそうになる。洪庵のように劣っている点を理詰めで考え、それをばねにしようとする逆転の発想がない。

 洪庵は自分の志を弟子たちの心に移し続け、そのたいまつの火をいっそう大きくした。それを司馬遼太郎さんは、「世のためにつくした人の一生ほど美しいものはない」と言って緒方洪庵の業績を讃えている。

(『生徒に贈る夢と希望がふくらむ150の言葉』佐藤允彦著/学事出版より)


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