子どもをやる気にさせる話

子どもがやる気を出すとき、その意欲の源となるのは夢と希望です。「あんなふうになりたい」「こんなことをやってみたい」という夢みる力と、「ボクにもできる」「ワタシだってやれる」という希望を子どもたちにどう与えるか。
そのヒントがギュッとつまった話をご紹介します。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・学級通信

本気になるということ

今日は「本気になる」ということについてお話しします。
今から400年前に「宮本武蔵」という剣の達人がいました。宮本武蔵は戦いでは、一度も負けたことがない名人でした。40年以上も戦いに明け暮れていましたが、たったの一度も負けたことがないのです。しかし、宮本武蔵が、負けはしなかったけれど勝てなかった試合が一度だけありました。

相手は、若い侍でした。一対一の真剣勝負でした。
大上段に振りかぶった若者は、じりじりと武蔵に迫ってきます。剣の神様から見ればすきだらけであり、打ち込めば、相手は一刀のもとに無残な敗北となります。じっと構えたままの武蔵。

一瞬、若者がスーッと目を閉じ意を決している、と武蔵は直感しました。すると、どうしても打ち込めないのです。鬼気迫る気迫であったといいます。武蔵が勝てなかった試合であるといわれています。

この気迫はどこから来ているのでしょうか。技ではなく、「本気になる」ということなのです。
百獣の王ライオンは、獲物を襲うとき、それが簡単にとれそうな場合でも、もてる力を最大限に発揮して、本気になって獲物を襲うといいます。

みなさんが何かをするとき、どんなに簡単だと思っても、一つ一つ心を込めて本気で取り組むことが大切なのです。
終わった後には本当の楽しさが待っています。

(『小学校 心のとびらを開く月曜講話』青木靖著/学事出版より)


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