担任から子どもたちへのメッセージ

公立中学校教師歴35年、学級担任歴27年の経験をもち、1960年から学級通信を出し続けてきた山田暁生さんによる「通信で伝える希望のメッセージ」。子どもたちが「自分の居場所」を確認でき、「自分への期待感」がわき上がり、「未来への希望」がもてるようなメッセージの数々は、実体験の深みがあり、子どもたちへのプレゼントのような温かみがあります。通信やお知らせの囲み記事、空きスペースを有効活用するために使えます。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより

びりの きもち

 運動会が間近に迫ってきました。どのクラスも、優勝を目指して一生懸命ですね。ところで、競争というものは、どんな形式であっても、順位がついてしまうものです。(中略)ちょっとおもしろい詩を紹介しますので、聞いてください。

びりのきもちが わかるかな
みんなのせなかや 足のうら
じぶんの鼻が みえだすと
びりのつらさが ビリビリビリ

だからきらいだ うんどうかい
まけるのいやだよ くやしいよ
おもたい足を 追いぬいて
びりのつらさが ビリビリビリ

 阪田寛夫(さかた・ひろお)という人の、題名もそのまま「びりの きもち」という詩です。「勝敗は時の運」と言いますが、誰でも、なりたくてビリになるわけではありませんね。優勝した人だって、相手がいたからこそ優勝できたのです。ひとりだけ、ひとつのクラスだけでは、一番も二番もありませんから。
 さあ、今度の運動会ですが、全力を出して参加してください。そして、みなさん同士が互いに相手を讃えあう、気持ちの良い運動会を創り上げていきましょう。

(『子どもたちに詩の心を伝える講話』小金澤豊著/学事出版より)


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