担任から子どもたちへのメッセージ

公立中学校教師歴35年、学級担任歴27年の経験をもち、1960年から学級通信を出し続けてきた山田暁生さんによる「通信で伝える希望のメッセージ」。子どもたちが「自分の居場所」を確認でき、「自分への期待感」がわき上がり、「未来への希望」がもてるようなメッセージの数々は、実体験の深みがあり、子どもたちへのプレゼントのような温かみがあります。通信やお知らせの囲み記事、空きスペースを有効活用するために使えます。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより

真ん中が輝く

 昔の落語家の話だ。修行時代に師匠の家に住み込んでいた彼は、どんな仕事でもやらなければならない。朝早く起きて家の前の掃き掃除から始まるのだ。
 ある時、彼は良いことをしようとして、両隣の家の前まで掃き清めておいた。すると、隣の家のご主人がやってきた。(中略)
「馬鹿野郎! なんてことしやがるんだ。俺は毎朝自分の家の前を自分で掃かないと、一日が始まらねえんだ。余計なことするな!」と言って帰ってしまう。

 彼はあっけにとられる。なんで?とも思うのだが、次の日はきっちりと師匠の家の前だけ掃いておいた。すると、どういうわけか次の日も男はどなりこんできた。(中略)
「掃除ってえのは、自分のところだけやるもんでも、他人の家のところまでやるんでもねえんだ。お前の家と俺の家の間までやるもんだ。お前が間を掃き、俺も間を掃く。これをやれば、一番綺麗になるのは、家の間ってなもんだ。(中略)」

 さて、我らが2の3の廊下には、2の2との境がある。どうなっているのだろうか。

(『こんな時どう言い返す ユーモアあふれる担任の言葉』池田修著/学事出版より)


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