担任から子どもたちへのメッセージ

公立中学校教師歴35年、学級担任歴27年の経験をもち、1960年から学級通信を出し続けてきた山田暁生さんによる「通信で伝える希望のメッセージ」。子どもたちが「自分の居場所」を確認でき、「自分への期待感」がわき上がり、「未来への希望」がもてるようなメッセージの数々は、実体験の深みがあり、子どもたちへのプレゼントのような温かみがあります。通信やお知らせの囲み記事、空きスペースを有効活用するために使えます。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより

Strike while the iron is hot

 鉄は熱いうちに打て…という言葉がある。
 鉄が溶鉱炉で真っ赤に溶かされ、流れ落ちて、いろんな形に固められている様子をTVなどで見ることがある。溶けた鉄が冷めて、ある形になってしまうと、もうその形を変えるのは難しく、変形しようと叩いても、思うような形にすることは難しい。いや、まず不可能だ。

 思うような形にしたければ、柔らかい液状のうちに自分が作りたい形の器に流し込むか、あるいはまだ柔らかいうちに叩き込んで、思い通りの形にきたえ変えていくしかない(中略)。

 これをきみ自身に置き換えてみよう。
 思春期のきみはこれから続く長い人生という器に注ぎ込もうとしている溶けた液状の鉄であり、水だ。つまり、いまきみさえその気になり、行動を起こせば、いくらでも変化・成長させる時間があり、機会がある。そのことにじっくり取り組めるチャンスを前にしているのだ。「よしやるかっ!」と取り組み始め、この先10年後を目指して頑張ってみよう。その頃にはきたえ培った力が社会人として大いに発揮できる時に至っている。それを夢見て Strike while the iron is hot.

(『クラス担任が子どもに贈るハッピーメッセージ』山田暁生著/学事出版より)


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