担任から子どもたちへのメッセージ

公立中学校教師歴35年、学級担任歴27年の経験をもち、1960年から学級通信を出し続けてきた山田暁生さんによる「通信で伝える希望のメッセージ」。子どもたちが「自分の居場所」を確認でき、「自分への期待感」がわき上がり、「未来への希望」がもてるようなメッセージの数々は、実体験の深みがあり、子どもたちへのプレゼントのような温かみがあります。通信やお知らせの囲み記事、空きスペースを有効活用するために使えます。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより・学校だより

つらい思いをした人は喜びも人一倍大きい

 「苦労した人じゃないとダメだね」とよく大人たちは口にする。つらい思いをした人は、人のつらさをが身にしみてわかり、他人への温かさも人一倍与えられるようになる。また、つらい思いをした分だけ、喜びに出合った時、人一倍それを感じられるようにもなるのだ。

 いじめられっ子の特徴は、やさしい性格を持っているということだ。これはどのいじめられっ子にも共通している。きみがいじめられっ子なら、きっとやさしい人だと思う。やさしいというのは少し弱さも感じられるが、きみが人間としてとても大切なやさしさを性格として持っているということはすばらしいことではないか。

 やさしい人たちが集まった世界は平和だ。温かい空気でいっぱいだ。人はやさしさを失った時、けんかを始め、相手を拒否し、けなし、自分ばかり主張し、一歩も引きさがろうとせず、それどころか、相手を突き飛ばしてまで自分を前に進めようとするのである。その最悪のケースが戦争や殺し合いだといえるね。

(『希望と勇気をもって生きぬく40のいい話』山田暁生著/学事出版より)


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