担任から子どもたちへのメッセージ【121】｜エッセンスの引き出し

長年、小中学校の教師および学級担任を務めてきた著者らによる「通信や講話で伝える希望のメッセージ」。日々の子どもたちとのふれあいから生まれたメッセージは示唆に富み、ユーモアを交えた温かみのある言葉の数々は子どたちの心に響くことでしょう。通信やお知らせの囲み記事、空きスペースを有効活用するために使えます。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典（書名・著者名・出版社名）を明記して下さい。

	学級通信･学年だより

ノミの実験

　ノミは小さな体に比して大変なジャンプ力を持っています。人間に同等のジャンプ力があれば、東京タワーを跳び越えられると言われるほどです。「そのノミをビンに入れてフタをしておくとどうなるか」という実験があります。（中略）

　はじめは思いっきり跳ぶのでフタにぶつかり、ビンの底に叩きつけられます。何十回と同じことを繰り返します。そのうちフタにぶつからないよう手加減して跳ぶことを覚え、上手に着地するようになります。そこでフタをとってみると、以前なら楽に外に出られるはずのノミが、跳び出せなくなってしまいました。
　自分で壁を感じて諦めてしまったら、このノミのようにできることもできなくなってしまうのです。（中略）

　ところが、このノミをビンから出して、ジャンプ力のある他のノミとしばらく一緒にすると、なんと！もとどおり跳べるようになるのです。たぶん真似をして跳び上がるからでしょう。そういう環境が大事なのです。クラスのみんなでそんな環境を作れれば、きっとよい成果が得られるでしょう。目標を高くもって頑張りましょう。

（『クラス担任が自信をもって「語る」12カ月』担任学研究会編著／学事出版より）

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