担任から子どもたちへのメッセージ

長年、小中学校の教師および学級担任を務めてきた著者らによる「通信や講話で伝える希望のメッセージ」。日々の子どもたちとのふれあいから生まれたメッセージは示唆に富み、ユーモアを交えた温かみのある言葉の数々は子どたちの心に響くことでしょう。通信やお知らせの囲み記事、空きスペースを有効活用するために使えます。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより

母をおもう

 八木重吉という詩人がいました。学校の先生をしながら詩を作っていました。この人に「母をおもう」という詩があります。

  けしきが
  あかるくなってきた
  母をつれて
  てくてくあるきたくなった
  母はきっと
  重吉よ重吉よといくどでもはなしかけるだろう

 どんな情景が、浮かびましたか。詩に出てくる、母をつれててくてく歩きたくなった重吉という人は、一体何歳ぐらいの人を思い浮かべますか。きっと、みなさんよりも年上の人ではないかと思うのですが、どうでしょうか。(中略)

 みんなの中には、身長でお母さんと並んだり、もう追い越してしまった人もいますね。身長だけではありません。深い内容の学問を身につけたり、スポーツや体力でも上を行ったりと、たくさんの面で大きくなっていくでしょう。
 今は、お母さんと話をすることについて、うるさく感じたり、わざと避けたりするような気持ちがあるかもしれません。ですが、いつかみなさんが大人になったときに、年を重ねたお母さんをつれて歩きたい気持ちが生まれてくれば、こんなにうれしいことはありません。

(『子どもたちに詩の心を伝える講話』小金澤豊著/学事出版より)


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