担任から子どもたちへのメッセージ

公立中学校教師歴35年、学級担任歴27年の経験をもち、1960年から学級通信を出し続けてきた山田暁生さんによる「通信で伝える希望のメッセージ」。子どもたちが「自分の居場所」を確認でき、「自分への期待感」がわき上がり、「未来への希望」がもてるようなメッセージの数々は、実体験の深みがあり、子どもたちへのプレゼントのような温かみがあります。通信やお知らせの囲み記事、空きスペースを有効活用するために使えます。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより

自分の能力を見限らない

 私は小5の時、いじめから救ってくれたS先生の影響で「先生になりたい」と決めたんだ。
 でも、自分にはどんな能力があるか全く見当がつかない。美術の作品が入選したりすると「美術の先生になろうかな」と思ったり、英語の発音をほめられると「英語の先生に」とか。一体自分の能力がどこにあって、「それで先生をやっていけるのか」といつも思っていた。あっちへ行ったりこっちに来たりと、ずっと揺れ続けていた。

 人はみなそのように揺れ動き、自分の能力を探しながら大人になってきたんだと思う。
 一番大切なことは、「どうせ自分にはろくな能力がないんだ。今持っている力だって、大したことないし、いつまでやってもしょうがない」と見限ってしまわないことだ。

 天才児を除いて、だれの力も子どもの時は小さい、能力だってあるのかないのかわからないくらいはっきりしないものだ。しかし、大人になるに従って、能力を大きく伸ばし、活躍度が増してくる人が大勢いる。その人たちは小さかった能力を大事に大事にたゆみなく育ててきた人たちだ。  じっくり、根気よく育てていくと、自分でも信じられない大きな力がついてくる。その時を迎えるまで、根気よく自分に付き合っていこう!

(『クラス担任が子どもに贈るハッピーメッセージ』山田暁生著/学事出版より)


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