担任から子どもたちへのメッセージ

公立中学校教師歴35年、学級担任歴27年の経験をもち、1960年から学級通信を出し続けてきた山田暁生さんによる「通信で伝える希望のメッセージ」。子どもたちが「自分の居場所」を確認でき、「自分への期待感」がわき上がり、「未来への希望」がもてるようなメッセージの数々は、実体験の深みがあり、子どもたちへのプレゼントのような温かみがあります。通信やお知らせの囲み記事、空きスペースを有効活用するために使えます。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより・進路通信

失敗したって

 きみはこれまでに「やってみたら?」と誰かに働きかけられたことはないかな。あるでしょ。
その時どうした? 「とんでもない。ぼくなんかにできっこないよ。誰か他の人はどうなの?」と自分を逃がしてしまっていないかな?(中略)

 こんな時、信頼できる大人のひと言がとても大きな支えになる。
 小学生のころから私は迷う時、父は戦争で殺されていなかったから、母に「どうしようかな」と相談した。そんな時「やってみなさい。他の人から見てできそうだと思ってくれたから声をかけてくれたんだわ。失敗したってもともとじゃない。力だめしにやってみたら? 精一杯やればきっとうまくいくよ。ダメでも、その姿はきっと認めてくれるものよ」と母の答えは決まっていた。

 自分なりに一生懸命やってもうまくいかないことがいろいろあった。失敗もしたよ。だけど、「失敗したって元気でまた頑張り直せばうまくいく時がきっとくるよ」と励ましてくれた。失敗を体験している人は、それだけ人間として鍛えられている人だという人もいる。

 失敗したっていいじゃないか。すすんでやってみようじゃないか。笑われたって気にするな。いつかその失敗を生かして成功させればいい。人生は長いんだから。長生きして、「そのうちうまくやってみせるぞ!」と意地を持って粘り強く生きていこう。

(『希望と勇気をもって生きぬく40のいい話』山田暁生著/学事出版より)


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