担任から子どもたちへのメッセージ

公立中学校教師歴35年、学級担任歴27年の経験をもち、1960年から学級通信を出し続けてきた山田暁生さんによる「通信で伝える希望のメッセージ」。子どもたちが「自分の居場所」を確認でき、「自分への期待感」がわき上がり、「未来への希望」がもてるようなメッセージの数々は、実体験の深みがあり、子どもたちへのプレゼントのような温かみがあります。通信やお知らせの囲み記事、空きスペースを有効活用するために使えます。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象 学級通信・学年だより

笑われたっていいじゃないか

 中学1年の時だった。校内弁論大会でクラス代表にされてしまった私。当日、演壇に上がって頭を下げると、盛大な拍手が返ってきた。生まれて初めて受けた大拍手だ。
 ところが、そのとたんにあがってしまった私は頭の中が真っ白になり、何をしゃべっていいのかわからず立ち往生。みんなはガヤガヤしはじめ、先生方も何が起きたんだと立ち上がる。あわてた私はますますあがって大変なことになってしまった。

 教室に原稿を置いてきていたため、始めるには取りに行くしかない……。ちょこんと頭を下げた私は壇から走り降りて、急いで教室へ。「山田! お前どこへ行くんだ!?」と背後で先生の声がする。
 原稿を手にして急いで戻り、壇上へ。原稿が手元にあるせいで気持ちも落ち着き、ようやく弁論をすませることができた。ところが、この変な弁論が全校で4等に!

 講評の時、校長先生が「山田のは弁論になっていなかった。しかし、あの困った時にそれを投げ出さず、原稿を取りに行き、再び壇上に立って最後まで責任を果たしたあの態度は実に立派だ(中略)」
 私は校長先生のその言葉でとても救われた気持ちになり、「よし、今度はきちんとしゃべれるようになるぞ!」と思った。それが人前で話すのが好きになったきっかけなんだ。

(『クラス担任が子どもに贈るハッピーメッセージ』山田暁生著/学事出版より)


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