担任から子どもたちへのメッセージ

公立中学校教師歴35年、学級担任歴27年の経験をもち、1960年から学級通信を出し続けてきた山田暁生さんによる「通信で伝える希望のメッセージ」。子どもたちが「自分の居場所」を確認でき、「自分への期待感」がわき上がり、「未来への希望」がもてるようなメッセージの数々は、実体験の深みがあり、子どもたちへのプレゼントのような温かみがあります。通信やお知らせの囲み記事、空きスペースを有効活用するために使えます。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象 学級通信・学年だより・学校だより

きょうの一日はもう来ない

 私が中・高校生のころ、「光陰矢の如し」とか「少年老いやすく学成り難し」とか「きょうという日は一生のうちで二度と来ないんだ」などと先生や大人たちにいわれても、ピンとこなかった。
 ところが、あっという間にもう70歳を過ぎ、折り返し地点をとっくに過ぎて、人生の終点(死ぬ日)近くに来てしまった。
 きょうはあしたの前日ではなく、きょうはきょう限りの最後の一日かもしれないのだ。(中略)

 私は“旦起希望”という言葉が大好きだ。朝は希望を持って起きようという意味だが、とりたてて大きな希望でなくてもいい。「きょうはこれをやるんだ」と、自分のやりたいことを一つ決め、それにつかまって起き上がるんだよ。そうすると、朝起きるのだって、いやいや起こされて起きるのではなく、自分の心が自分を起こしてくれることになる。こりゃあ、いい気分だよ。
 そしてパッと外に出て、新鮮なきょうの大気を胸いっぱい吸い、やるぞ! とはき出す。それを数回繰り返し、大空に向かって思いっきり手をあげ、背のびをするんだ。きっと活力がよみがえってくるよ。(中略)

 いつ途切れるかわからない私だけの日々。私という人間が地球上の、日本の、ここに生きていたんだという一つの点を残せるきょうの一日にしたい。私らしい私の一日にしたい。
 きみらしいきみの一日にしてほしい。

(『希望と勇気をもって生きぬく40のいい話』山田暁生著/学事出版より)


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