(20)はがき新聞の成果と課題 ~アンケート調査から~ Part2
はがき新聞導入の成果
(2016年11月公開)p>
前回に引き続き、アンケート調査を見てみましょう。今回は、はがき新聞の実践の過程で、児童、生徒がどのように取り組んだか、期待した成果があったかどうか、先生たちがはがき新聞の有効性についてどう考えているかを調査結果から分析します。
(7)はがき新聞づくりの指導の難易度
指導が容易であったか、難しかったかの問いについては「とても容易だった」「容易だった」を合わせると、6割を超えており、多くの先生が比較的容易に指導ができたと認識されているようです。はがき新聞ならではの手軽さが見てとれます。
度数 | 有効パーセント | |
① とても容易だった | 3 | 4.1% |
② 容易だった | 44 | 59.5% |
③ どちらともいえない | 24 | 32.4% |
④ むずかしかった | 3 | 4.1% |
⑤ とてもむずかしかった | 0 | 0% |
合計 | 74 | 100.0% |
(無回答2)
(8)児童、生徒の様子
はがき新聞をつくっているときの児童、生徒の様子については「全員が積極的に」、「多くが積極的に」を合わせると、実に96%。ほとんどの先生が子どもたちの積極的な姿勢を認めていることがわかります。
度数 | 有効パーセント | |
① 全員が積極的に取り組んでいた | 23 | 30.7% |
② 多くが積極的に取り組んでいた | 49 | 65.3% |
③ どちらともいえない | 3 | 4.0% |
④ 多くが積極的に取り組んでいなかった | 0 | 0% |
⑤ 全員が積極的に取り組んでいなかった | 0 | 0% |
合計 | 75 | 100.0% |
(無回答1)
(9)成果はあったか
期待した成果を上げられなかったと回答した先生はわずか2名(2.7%)。程度はさておき、ほとんどの先生が期待通りの成果があったと認識しています。
度数 | 有効パーセント | |
① 期待した成果が達成された | 39 | 52.0% |
② 期待通りではないが、 ほぼ達成された |
34 | 45.3% |
③ 期待したほどの成果が 上げられなかった |
2 | 2.7% |
合計 度数 | 75 | 100.0% |
(無回答1)
(10)今後も授業に取り入れるか
「今後も取り入れたい」という回答が8割近くを占めました。はがき新聞の有効性が示されたと言ってよいのではないでしょうか。
なお、今後も取り入れていくために必要なアイテムとして、保管のためのファイル、カラーペン、実践事例集、はがきを展示するもの、大きなサイズの原稿用紙(書いた後、コピーで縮小)、学年段階に応じたマス目の原稿用紙が挙げられています。
度数 | 有効パーセント | |
① 今後も取り入れたい | 58 | 77.3% |
② 今のところわからない | 10 | 13.3% |
③ 今後は取り入れないかもしれない | 7 | 9.3% |
合計 度数 | 75 | 100.0% |
(無回答1)
(11)授業に取り入れない理由
今後の対応について「今のところわからない」「今後は取り入れないかもしれない」と答えた先生にその理由を尋ねたところ、一番多いのが「時間的な余裕がないから」。授業時間の確保は、はがき新聞を取り入れる場合の重要課題と言えそうです。「その他」の中の意見で多かったのも、プリントや時間に手間がかかるというものでした。こうした問題を解決するには技術的な革新が必要かもしれません。
度数 | パーセント | ケースの パーセント |
|
① 期待した成果があげられそうにないから | 00 | 0% | 0% |
② 指導が大変だから | 1 | 5.0% | 6.3% |
③ 授業時間に余裕がないから | 15 | 75.0% | 93.8% |
④ その他 | 4 | 20.0% | 25.0% |
合計 | 20 | 100.0% | 125.0% |
(12)他の教師へ薦めた経験
はがき新聞を他の教師に薦めたことがある、ないの回答の割合は拮抗しています。「ない」と回答した理由の多くは「自分がまだ初心者だから」というものでした。今回の調査で「ない」と回答した先生も経験を積めば、他の先生に積極的に薦めるようになるかもしれません。
度数 | 有効パーセント | |
① 薦めたことがある | 40 | 53.3% |
② 薦めたことはない | 35 | 46.7% |
合計 度数 | 75 | 100.0% |
(13)その他の意見
自由記述の欄を通して、多くの先生からご意見をいただきました。実践の具体的な成果を挙げ、はがき新聞という学習ツールの有効性に言及される先生も多くおられました。
より充実した実践をするために、プリンタ、原稿用紙のさらなる改善・改良、研究助成の実施など多くの要望もありました。こうしたご意見を、今後のはがき新聞の普及・発展に活かしていくことが望まれます。
(21)はがき新聞の成果と課題 ~アンケート調査から~ Part3 はがき新聞の効果 に続く
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