(17)こんな実践もできる!
すぐに役立つはがき新聞活用事例 Part.3
(2016年8月公開)p>
はがき新聞は工夫やアイデアしだいで教科での取り組み以外に、さまざまな学校活動で活用することができます。実際に制作されたはがき新聞の作品例を取り上げます。活用のヒントやポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
すぐに役立つ事例9
「教材文のダイジェスト版をつくる」
説明的な文章を要約する
活用のヒント
中学1年の国語科の教材文を要約するという実践です。文章を限られた文字数で要約することは短作文の能力を養います。ここに紹介する作品に明らかなように、見出し、イラスト、本文中の色使いなどの工夫を見れば、教材文のキーワードをしっかり意識しているかどうかがわかります。
文学的な文章ならば、お気に入りの場面を紹介したり、主人公への手紙を書いたりしてもよいでしょう。説明的な文章ならば、図表を用いた要約をしたり、筆者の主張に対する自分の考えを書いたり、さまざまな実践が可能です。
すぐに役立つ事例10
「○年後への自分へ…」
自分自身への励ましの手紙を書く
活用のヒント
中学1年の3月に、受験を迎えている先輩たちの姿を踏まえ、2年後の自分自身を励ます手紙を書いたものです。家族や先生、先輩から励まされた言葉や好きな歌手の曲の歌詞などを入れています。
その手紙を中学3年の1月に生徒に渡しました。このあと、5年後(20歳)の自分、25年後(40歳)への自分に手紙を書かせましたが、受け取る気持ちを一度味わっているため、内容は充実したものになりました。
すぐに役立つ事例11
「作品の良さを伝える」
伝統的な言語文化を授業に取り入れる
活用のヒント
伝統的な言語文化を扱った作品を集めました。①平家物語の「扇の的」、②短歌の学習「石川啄木」、③枕草子「第一段」のまとめ学習としてはがき新聞を取り入れています。
中学校に限らず、すでに小学校にも古典の学習が入ってきました。古典に親しむという点でもはがき新聞は大きな効果を発揮するはずです。この場合、読み手は特定の相手ではなく、クラスみんなです。クラスのなかで多くの人と交流し、それぞれの考えを広げたり、深めたりすることに意味があります。
すぐに役立つ事例12
「きらきら星変奏曲を鑑賞する」
曲の面白さを下級生に伝える
活用のヒント
中学1年の音楽科で聴いた「きらきら星変奏曲」について、曲の面白さを下級生に伝えた作品です。第1変奏から第12変奏までの表現の特徴を押さえ、見出しやイラストなどを工夫して伝えましょう。はがき新聞作成の意図は、この曲を知らない人に伝える場合、お互いの感じ方を交流し合う場合、他の曲と比較する場合などにより異なります。
また、「鑑賞」という点で考えると、音楽科に限らず、国語科や美術家にも応用できます。
(18)こんな実践もできる! すぐに役立つはがき新聞活用事例 Part.4 に続く
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