はがき新聞で始める学級力向上

(6) 小学校の実践事例1:「友だち」を年間テーマに(2017年6月公開)

対象:小学校2年生(大阪府豊中市立原田小学校 教頭 蛯谷みさ さん)

注)報告者の所属学校名は、レポート作成当時のもので、現在と違っている場合があります。

はがき新聞導入の狙い

スマイルタイムを実施した後、明確な目標がある行事を行った後など、タイミングを見計らって、その成果や課題を振り返り、はがき新聞作成の時間を設けました。はがき新聞が学級力向上の推進力になることを期待しての取り組みです。

まず書き方の指導から

書く力がついてくる2学期からはがき新聞を導入。2年生はまだ普通のはがきサイズに書くのは難しいため、書きやすいように教師がA5サイズに切り、枠を書いた方眼紙を準備しました(3学期からは理想教育財団提供の正規版を使用)。A5サイズの原稿を70%に縮小すれば、はがきサイズで印刷できます。
 また、子どもたちははがき新聞の作成が初めてなので、実物を拡大し、以下の手順で書き方を説明しました。

  • テーマや内容を決める。
  • 色鉛筆で枠を取る。
  • 名前、生年月日を書く。
  • 新聞名を書く。適当なものが思い浮かばなければ最後でもよい。
  • 見出しを書く。見出しの例をいくつか挙げて、示す。
  • 文を書く。最初に具体例を紹介し、イメージしやすくする。
  • 挿絵を入れてもよいことを伝える。

時期とテーマ

2年生が書いたはがき新聞は以下の4種類。基本の4タイプ以外に「自己評価型」「感想統括型」も活用しました。

  • 2学期学習発表会後
    『たすけ合って友だちのよさを見つけよう』という目標をどれだけ達成できたか。どのような友だちのよさを見つけられたかを評価する。(自己評価型)
  • 2学期の締めくくり時
    2学期にどこまで成長できたか、よりよい3学期にするためには自分は何ができるかを考える。(決意表明型)
  • 3学期のスマイルタイムの後
    初めて実施した学級力アンケートとそれにもとづくレーダーチャート見て、達成できたこととこれからがんばりたいことをそれぞれ考える。(資料分析型)
  • 年度末の3月
    この1年間を振り返る。(感想統括型)

「自己評価型」はがき新聞
「自己評価型」はがき新聞

「決意表明型」はがき新聞
「決意表明型」はがき新聞

「資料分析型」はがき新聞
「資料分析型」はがき新聞

「感想総括型」はがき新聞
「感想総括型」はがき新聞

子どもたちの変容

当初、子どもたちは四苦八苦するかと思われましたが、予想に反して喜々として取り組んでいました。書くことが楽しいようで、一人で2枚3枚と用紙を取りに来る子どもも多く、挿絵を入れられる点も好評。理想教育財団のA5用紙の中では、5㎜マスより6㎜マスのほうが人気でした。
 2年生であっても、はがき新聞を書くことで自分たちの成長を振り返り、しだいに周囲に目を向けた感想や考えを伝えられるようになっていきました。

留意すべき点

2年生にはがき新聞を書かせる上で、以下のような留意点や反省点が明らかになりました。

  • 筆圧が弱く、印刷時にはっきり映らないことがあるので、字も色も濃く、はっきりと書かせる。
  • 楽しかった、よかったという漠然とした感想で終わらないように、テーマを明確に認識させる。
  • 当初は書く楽しみを経験させるために、細かいことを言わず、自由に書かせる。2年生では要約力も乏しいので、1枚に収めることを強要しない。
  • 慣れてきた段階で、1枚の中に完結するように促す。
  • すぐに書けない子は、色鉛筆で枠を書いたり、周りの模様を書かせたりさせると、スムーズに進むケースが多い。徐々に書きたい内容がまとまってくるものと思われる。

(7) 小学校の実践事例2:特別活動で継続的に活用するに続く

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