(2) アンケートとレーダーチャート(2017年2月公開)
学級力を可視化する
今、学級がどんな状態にあるか、つまり学級力の状況を子どもたち自身がわかりやすく理解するための手段が、学級力アンケートと学級力レーダーチャートです。この2つを使うことにより学級力の可視化が容易に可能となります。
学級力アンケートで自分たちのクラスの実態を知る
学級力アンケートとは、学級力の状況を診断するための子ども向けアンケートです。この診断にもとづき、子どもたち自身がクラスの実態について実感を持って受け止め、学級改善に向けて、主体的な取り組みを始めることができます。
学級力アンケートは、それぞれ小学校低学年版、小学校中学年版、小学校高学年版、中学校版の4種類から成っています。
小学校低学年・中学年版アンケートは5領域10項目、小学校高学年版アンケートは5領域15項目、中学校版アンケートは6領域24項目を含んでいます。
また、第1回目の実施時にはアンケート方法についての説明を必要とするため、30分程度かかりますが、2回目からは10分程度で終わります。この簡便さも学級力アンケートの大きなメリットの一つです。
学級力レーダーチャートを診断・改善に活用する
学級力アンケートの集計結果を領域別・項目別に可視化したレーダー型のグラフが学級力レーダーチャートです。子どもたち自身がアセスメントの主人公となり、その形状や達成状況にもとづいてクラスの仲間づくりの成果や課題を診断し、改善策を考え実行するためにこのグラフを活用します。
図表は実際に学級力アンケートを実施し、その結果を表示した例です。前回実施したアンケート結果を赤い線で表示し、今回の結果が青色の領域で表示されることにより、学級力の変容が子どもたちにも一目瞭然となっています。
学級力レーダーチャート作成のための集計ソフトは、マイクロソフト社のエクセルを用いて開発されており、作業は児童生徒の名簿順にアンケート項目ごとに1、2、3、4の評価点数を入力するだけです。慣れれば、1回分の学級力アンケートの集計とグラフの作成は10分程度で完了します。
※注記ここで紹介した学級力アンケートや学級力レーダーチャートの作成ソフト等は、
参考文献②及び③の付録DVDに収録されています。
参考文献
① 田中博之著『学級力が育つワークショップ学習のすすめ』金子書房、2010年
② 田中博之編著『学級力向上プロジェクト』金子書房、2013年
③ 田中博之編著『学級力向上プロジェクト2』金子書房、2014年
(3) スマイルタイムに続く
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