はがき新聞で始める学級力向上

(11) 中学校の実践事例1:生徒の思いを大切にして(2017年11月公開)

対象:中学校1年生(広島県福山市立向丘中学校 教諭 寺延 行美 さん)

注)報告者の所属学校名は、レポート作成当時のもので、現在と違っている場合があります。

ゼロからの出発

4月の入学式後の学級開き。4つの小学校から集まった36人の生徒が教室に勢ぞろい。小学校の事前連携でさまざまな課題を抱える生徒の話も聞いていましたが、この日ばかりは、どの生徒も「中学生になったぞ」と、やる気に満ちた表情、きらきらした目で挨拶をする私を見ています。 「入学式を終え、この14Rの教室にもどってきた皆さんに、あらためて『おめでとう』の言葉を送ります。入学式ではドキドキしましたか? 今はどんな気持ちですか? 今日から向丘中学校の1年生です。これまでいろんなことがあったと思いますが、すべて白紙に戻し、全員、ゼロからのスタートです。新しい気持ちで共にがんばりましょう」
 私自身、久しぶりの1年生の担任です。自分もゼロに戻ったつもりで話をしました。それを真剣に聴く生徒たちの気持ちが態度から伝わってきました。

全員の願いが込められた学級目標

学級目標を決めるためにクラスの生徒全員が「こんな14Rにしたい」「こんな14Rにはしたくない」という意見を出し合いました。これをもとにグループ単位で案をまとめ、さらに全員で話し合って決めた学級目標が以下の3つです。

友だちへのはがき新聞

アンケート分析から、はがき新聞作成へ

第1回学級力アンケートのレーダーチャートを見ながら、生徒自身が分析し、一人ひとりがはがき新聞に感想をまとめました。
 はがき新聞作成後の生徒の感想文をいくつか紹介します。

  • 「はがき新聞」を書いて、14Rの良いところ、悪いところをあらためて感じることができた。レーダーチャートを見直すことで、さらに14Rのことが見えてきた。
  • 「14R新聞」を書くことで、14Rについて全員が考えることができた。ぼくは良いところしか書いてないけれど、学級目標の「笑顔・協力・支え合い」はみんなで決めたものなので、これからもこれを目標にがんばっていきたい。
  • 「はがき新聞」を書いて、あらためて14Rの学級力がわかった。良いところは「協力」、悪いところは「学習」と「けじめ」の部分だった。次の学級力アンケートでは全部の力が100%に近づけるようになっていたい。そのために私自身もがんばりたい。

1学期に作成したはがき新聞

はがき新聞サンプル

はがき新聞サンプル

2学期に作成したはがき新聞

はがき新聞サンプル

はがき新聞サンプル

はがき新聞サンプル

はがき新聞サンプル

はがき新聞サンプル

はがき新聞サンプル

はがき新聞実践の成果

学級力アンケートの実施とはがき新聞の作成により、次のような成果を得ることができました。

  • アンケートにより生徒自らがクラスの現状に目を向けるようになりました。今、どんな力がついているのか、どんな力が足りないのかを分析し、そこから課題を見つけ、現状を変えることを考え始めました。
  • 分析した結果を生徒一人ひとりがはがき新聞にまとめることで記録として残し、今後の取り組みへの期待感や意欲をもたせられました。
  • 学級力アンケートの分析やスマイルタイムでの対話を通して、生徒と生徒、生徒と担任のつながりを深めることができました。

(12) 中学校の実践事例2:行事で団結・連帯するための実践に続く

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