(連載コンテンツ)今日から始めるはがき新聞づくり

(21)はがき新聞の成果と課題 ~アンケート調査から~ Part3
はがき新聞の課題

(2016年12月公開)

これまでのアンケートでおわかりいただける通り、はがき新聞は授業に取り入れられることによって大きな成果を上げています。しかし、調査を詳細に分析すると、いくつかの課題も見えてきます。
 そこで今回はアンケートに答えていただいた先生の年代を若手(20、30歳代)とベテラン(40、50歳代)の2つのグループに分け、各調査項目とのクロス集計を行い、2つの年代群の回答の違いから今後の課題を抽出してみました。

(14)肯定的な回答が多いベテラン先生

まず、当初の狙い以外の成果があったかどうかを比べると、ベテランは若手より20ポイント以上、肯定的な回答をしています(表14)。
 この傾向は指導の容易さについても同様で、ベテランの先生のほうが若手の先生より「容易だった」と認識されているのがわかります(表15)。
 さらに子どもたちも、ベテランの先生が指導したケースのほうがより積極的に取り組んでいたようです(表16)。

表14 「年代 と『はがき新聞』を取り入れてみて、
当初のねらい以外の成果があった事がありますかのクロス集計
  ある ない 合計
若手 度数 23 11 34
年代の% 67.6% 32.4% 100.0%
ベテラン 度数 30 3 33
年代の% 90.9% 9.1% 100.0%
合計 度数 53 14 67
全体の% 79.1% 20.9% 100.0%
表15 「年代 と『はがき新聞』づくりの指導は容易でしたか、大変でしたか」 のクロス表
  とても容易
だった
容易だった どちらとも
いえない
難しかった 合計
若手 度数 1 17 15 2 35
年代の% 2.9% 48.6% 42.9% 5.7% 100%
ベテラン 度数 1 24 9 0 34
年代の% 2.9% 70.6% 26.5% 0.0% 100.0%
合計 度数 2 41 24 2 69
全体の% 2.9% 59.4% 34.8% 2.9% 100.0%
表16 年代 と「『はがき新聞』をつくっているときの児童、生徒の様子は」 のクロス集計
  全員が積極的に
取り組んでいた
多くが積極的に
取り組んでいた
どちらとも
いえない
合計
若手 度数 7 26 2 35
年代の% 20.0% 74.3% 5.7% 100.0%
ベテラン 度数 14 20 1 35
年代の% 40.0% 57.1% 2.9% 100.0%
合計 度数 21 46 3 70
全体の% 30.0% 65.7% 4.3% 100.0%

(15)若手には高いハードル

期待された成果が達成されたかどうか(表17)、今後も授業に取り入れるか(表17)、他の教師に薦めたことがあるか(表18)という設問についても、前記の3つのアンケートから容易に予測できる結果と言えるでしょう。いずれもベテランの先生のほうが肯定的な回答でした。
 今後の意向に対して「取り入れないかもしれない」と回答している先生はベテラン群には1人ですが、若手群には5人もいました。この結果からわかるのは、低学年の子どもにも手軽に取り入れられるのが強みのはがき新聞も、若手の先生にとっては必ずしも簡単ではないということです。

表17 年代 と「『はがき新聞』づくりを取り入れてみて期待した成果は」 のクロス集計
  期待した成果が
達成された
期待通りではないが
ほぼ達成された
期待したほどの成果が
上げられなかった
合計
若手 度数 15 19 2 36
年代の% 41.7% 52.8% 5.6% 100.0%
ベテラン 度数 20 14 0 34
年代の% 58.8% 41.2% 0.0% 100.0%
合計 度数 35 33 2 70
全体の% 50.0% 47.1% 2.9% 100.0%
表18 年代 と「今後も『はがき新聞』を授業に取り入れますか、取り入れませんか」 のクロス集計
  今後も取り入れたい 今のところ
わからない
今後は取り入れない
かもしれない
合計
若手 度数 25 5 5 35
年代の% 71.4% 14.3% 14.3% 100.0%
ベテラン 度数 29 5 1 35
年代の% 82.9% 14.3% 2.9% 100.0%
合計 度数 54 10 6 70
全体の% 77.1% 14.3% 8.6% 100.0%
表19 年代 と「『はがき新聞』をほかの教師に薦めたことがありますか、ありませんか」 のクロス集計
  薦めたことがある 薦めたことはない 合計
若手 度数 12 24 36
年代の% 33.3% 66.7% 100.0%
ベテラン 度数 26 8 34
年代の% 76.5% 23.5% 100.0%
合計 度数 38 32 70
全体の% 54.3% 45.7% 100.0%

(16)今後の課題と取り組み

今回の調査で明らかになった実情は、はがき新聞だけに言えることではないかもしれません。教育界に共通する問題かもしれませんが、今後は若手の先生をベテランの先生がどのようにサポートしていくか、そしてその仕組みをいかに構築するかが重要でしょう。たとえば、わかりやすい手引き書の作成や、参加しやすい研究会の開催などもこれらの課題を解決するための有効な方策です。
 そして、何より求められるのが若手の先生とベテランの先生、あるいは若手の先生どうしのコミュニティの形成です。そのような場で、互いに教え合い、学び合うことが必要なのではないでしょうか。理想教育財団は、はがき新聞の普及を通して、こうした先生同士をつなぐ架け橋になるよう今後も尽力したいと考えます。

(連載終了) 次回から学級力を高めるはがき新聞の活用法に関して連載をスタートする予定です。

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